通貨ペアの注目点
- 現在の米ドル/円(USD/JPY)相場は、1ドル=150円台半ばで推移しています。27日夕に比べて小幅に上昇しています。海外市場では、日本の予想を上回る消費者物価指数(CPI)を受けて円が買われる場面もありましたが、米国の利下げ織り込みの後退がドルを下支えしています。29日に控えて、注目される米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を待つ中で、方向感が乏しい展開が続く可能性があります。
- 米金利スワップ市場では、年内の利下げ回数の織り込みが3回程度に後退し、米連邦公開市場委員会(FOMC)が示す見通しとほぼ一致しています。米10年債利回りは前日比で2ベーシスポイント(1bp=0.01%)高い4.3%程度に上昇しています。ただし、相場の重しとなる国債入札や社債の起債もありました。
- 27日の東京市場では、1月の全国CPIが市場予想を上回り、日本銀行の金融正常化を後押しするとの見方から、円買いが優勢になる場面もありました。ただし、日銀はマイナス金利解除後の利上げは緩やかなペースで進める姿勢を示しており、円買い圧力は限定的となっています。
4時間足分析
トレンド分析
現在の米ドル/円(USD/JPY)は、上昇トレンドラインに沿って推移しており、メジャートレンドラインとマイナートレンドラインの両方が支持線として機能しています。150.706と150.093の間での値幅狭しのレンジ形成が観察されており、これは短期的な価格の平衡状態であると考えられます。
移動平均線分析
現在の価格は、短期移動平均線(150.552)をわずかに上回っており、中期(149.291)と長期(147.731)の移動平均線も上向きの勢いを維持しています。これは全体的に上昇トレンドが継続していることを示していますが、短期移動平均線が価格と接近していることは、上昇の勢いが弱まりつつある可能性を意味しているかもしれません。
総合分析
現時点では、メジャートレンドラインとマイナートレンドラインが支持されている限り、上昇トレンドが継続していると考えられます。ただし、短期移動平均線がレンジの下限付近に位置しており、レンジブレイクに警戒が必要です。この状況を注視することが重要です。
価格目途
抵抗線(150.799付近)を突破すると、次の心理的な大台である152円を目指す可能性があります。一方で、マイナートレンドラインを下回ると、価格は長期移動平均線(147.731)まで下落する可能性があります。この長期EMAは重要なサポートとして機能すると思われますが、これらの水準を注視し、価格の動向を注意深く観察することが重要です。
まとめ
現在の米ドル/円(USD/JPY)は上昇トレンドを維持していますが、レンジの動きからは一定の不確実性が伺えます。レンジの上限をブレイクするか、マイナートレンドラインを下回るかによって、短期的な方向性が決まるでしょう。投資家はこれらの水準を注視し、ブレイクアウトまたはブレイクダウンが確認された後にポジションを取ることを検討すべきです。常にリスク管理を念頭に置き、ストップロスの設定を忘れずに行ってください。
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